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建設業における「工事原価報告書」の本当の役割とは? 〜中小建設業者が見落としがちな“経営の羅針盤”〜

  • 投稿:2025年10月21日
建設業における「工事原価報告書」の本当の役割とは? 〜中小建設業者が見落としがちな“経営の羅針盤”〜

皆さんは、「工事原価報告書」という書類をご存じでしょうか。
この書類は、建設業許可を取得・維持するために必要な書類であると同時に、経営の実態を把握するうえでも非常に重要な役割を果たします。
しかし、実際にはこの工事原価報告書を作成していない中小建設業者も少なくありません。
本記事では、工事原価報告書の基本的な役割から、経営改善にどうつなげていけるのかまで、実務的な視点で解説していきます。

工事原価報告書とは?

工事原価報告書とは、建設業における「工事の収支」を明らかにするための書類です。具体的には、売上(完成工事高)に対して、材料費・外注費・労務費などの原価がどれだけかかったかを集計し、粗利益(=売上−原価)を把握するために作成されます。 この報告書は、建設業許可を取得する際、また取得後も毎年、行政庁に提出することが義務付けられています。つまり、建設業を営む上では「あって当たり前」の書類なのです

工事原価報告書がないとどうなる?

ところが、実際に中小建設業者の決算書を拝見すると、工事原価報告書が作成されていないケースが少なくありません。特に、小規模な建設業者の中には、「税理士に任せているから大丈夫」と思っている方も多いようです。

しかし、工事原価報告書がないということは、自社の「儲けの構造」が見えていないということ。つまり、工事でどれだけ利益が出ているのか、あるいは赤字になっているのかが分からないまま経営している状態です。

これは、いわば“どんぶり勘定”で経営しているのと同じです。売上は上がっているのに、なぜかお金が残らない。そんな悩みを抱えている建設業者の場合、実はこの「工事原価の見える化」ができていないことがあります。

建設業許可業者には必須の書類

工事原価報告書は、単なる経営管理のための資料ではありません。建設業許可を取得する際、そして毎年の決算後に提出する「決算変更届」にも添付が求められる、いわば“法定の書類”です。

つまり、建設業許可業者である以上、工事原価報告書の作成は「義務」であり、怠ると行政庁からの指導や、最悪の場合は許可の更新ができないといったリスクもあります。

特に、公共工事への入札を目指す場合や、金融機関からの融資を受ける際には、工事原価報告書の内容が重要な判断材料となります。金融機関は、単なる売上高ではなく、利益率や原価管理の状況を見て、経営の健全性を判断します。

なぜ税理士は作ってくれないのか?

「うちの税理士は工事原価報告書を作ってくれないんだけど…」という声もよく耳にします。実は、税理士の立場から見ると、工事原価報告書を作っても作らなくても、法人税の計算には大きな影響がないため、優先順位が低くなりがちなのです。

また、税理士の中には建設業特有の会計処理に詳しくない方もいます。建設業の原価計算は、製造業やサービス業とは異なり、工事ごとの進捗や請負契約の内容に応じた処理が求められるため、専門的な知識が必要です。

だからこそ、建設業者自身が「工事原価報告書は経営に不可欠な書類である」という認識を持ち、税理士に対して「作成を依頼する」姿勢が大切です。人任せにせず、自社の経営を見える化するための第一歩として、積極的に関わっていきましょう。

工事原価報告書を活かす経営とは?

工事原価報告書を作成するプロセスの中で、必然的に工事ごとの原価構造を意識するようになるため、以下のような経営改善のヒントが得られるようになります。

利益率の高い工事の傾向が分かる                            → どのような工事が自社にとって「儲かる工事」なのかを把握できます。

赤字工事の原因分析ができる                              → 外注費が高すぎたのか、材料費が想定より上がったのか、原因を特定できます。

見積もり精度が上がる                                 → 過去の実績をもとに、より現実的な見積もりが可能になります。

金融機関への説明力が高まる                              → 「数字に基づいた経営」をしていることが伝わり、信頼性が向上します。

こうした情報は、単なる帳簿上の数字ではなく、経営の舵取りに直結する“生きたデータ”です。

まとめ:工事原価報告書は「経営の羅針盤」

工事原価報告書は、単なる提出書類ではありません。自社の経営を見える化し、利益体質をつくるための「羅針盤」です。

会社規模が小さなうちから、1件1件の工事の収支を丁寧に把握し、確実に利益を積み上げていくことが重要です。

もし、まだ工事原価報告書を作成していない、あるいは作ってはいるけれど活用できていないという方がいらっしゃれば、ぜひ一度、専門家に相談してみてください。

当事務所は、江戸川区・葛飾区を中心に東京の東地区で建設業の経営支援を行っています。   建設業許可の取得は単なる事務的手続きではなく、建設事業者にとって重要な経営戦略の一つと考えています。資金繰りや資金調達に関するご支援も行っておりますので、建設業の経営に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。(お問い合わせはコチラ)

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