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[建設業許可]

「人工出しの請求書は工事として認められません」-建設業許可実務に潜む落とし穴

  • 投稿:2026年05月04日
「人工出しの請求書は工事として認められません」-建設業許可実務に潜む落とし穴

中小の下請け建設業者の請求書を見ていると、「〇年〇月分 人工〇名分」など、いわゆる人工出しによる請求書を目にすることがあります。業界ではごく一般的な商習慣として長年使われてきたため、疑問を持たずに発行・受領している事業者も少なくありません。
しかし、建設業許可を取得・更新する場面、とりわけ「経営業務の管理責任者」や「営業所技術者」の工事実績の裏付け資料として提出する場合、この人工出しの請求書が思わぬ壁になることがあります。結論から言えば、人工出しの請求書は、原則として「工事実績」として認められません。
本稿では、その理由と実務上の考え方、そして誤解されやすい取り扱いまでを整理します。

人工出しは「工事」ではなく「労務の提供」に近い

建設業法における「工事」とは、請負契約に基づき、完成を約束し、その対価として報酬を受け取る行為を指します。つまり、成果物の完成に対する責任を負っていることが前提です。

一方、人工出しの請求書の多くは、「何人を何日現場に出したか」という労務提供の対価を基準に金額が算定されています。そこには、工事の完成責任や瑕疵責任といった請負特有の要素が見えにくく、行政から見れば「工事」ではなく、人を出しただけと評価されてしまいます。

このため、経管や技術者の工事実績の裏付けとして人工出し請求書を提出しても、「工事内容が特定できない」「請負工事とは認められない」として、実績としてカウントされないのです。

人材派遣として見直すと、別の問題が生じる

人工出しを「工事ではない」と整理すると、次に浮かぶのが人材派遣や労務供給ではないのかという視点です。実際、人工ベースで人を現場に送り、指揮命令を受ける構造は、人材派遣に近い側面を持ちます。

もっとも、この点を深掘りすると労働者派遣法との関係が問題となりますが、これは本稿の主題ではありません。ただ一つ言えるのは、人工出しは工事でもなければ、安易に派遣とも言い切れないグレーな商慣習だという点です。

そして行政手続の場面では、このグレーさはほぼ例外なく不利に扱われるという現実があります。

東京都では「技術者実績」として認められる余地があるが

興味深いことに、東京都においては、営業所技術者の工事実績の裏付け資料としてであれば、人工出しの請求書であっても、工事内容や関与の実態が詳細に説明できれば認められる余地があります。

ただし、これはあくまで例外的な運用です。請求書の記載内容、契約関係の補足説明、工事概要書など、追加資料と説明の精度が強く求められます。結果として、審査対応の負担は大きくなり、士業側にとっても事業者側にとってもリスクが高い方法と言えるでしょう。

結論として、請負工事の請求書に勝るものはない

実務の視点で言えば、人工出し請求書で何とか説明しようとするより、最初から請負契約に基づく工事代金の請求書を発行する方が圧倒的に安全です。工事名、工期、工事内容が明確に特定できる請求書は、経管・技術者いずれの実績確認においても、行政との無用なやり取りを避けてくれます。

人工出しが悪意のある行為だと言いたいわけではありません。むしろ、中小建設業者の現場を回すために自然発生的に根付いた商習慣だと言えるでしょう。しかし、「昔からやっている」と「行政手続で通用する」は別物です。

建設業許可を本気で活用していくのであれば、請求書の書き方一つ取っても、将来の許可・更新・業種追加を見据えた整備が欠かせません。人工出し請求書に頼らない取引形態へ、今こそ意識的にシフトしていくことが求められています。

当事務所は、江戸川区・葛飾区を中心に東京の東地区で建設業に専門特化し、許可取得から経営改善までワンストップでサポートするのが大きな特長です。                    一般的な行政書士が許認可代行に留まる中、当事務所は許可取得後の成長戦略まで踏み込みます。20年以上の経営経験と、税理士・社労士・金融機関など必要な専門家ネットワークをワンストップで繋ぎ、経営課題を解決します。(お問合せは公式LINEより)

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