行政書士
財務コンサルタント
磯村 威暢
2,000万円の負債がある会社を復活させた財務管理力と、採用から資金繰り、設備投資まで、経営者として20年のキャリアで培った問題解決力を活かして中小建設業者の経営をトータルサポート。
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[建設業許可]
解体工事業を営むにあたり、多くの事業者が勘違いしているのが、「解体工事業者登録」と「解体工事業の建設業許可」の違いです。
とくに近年、元請や金融機関から「そろそろ建設業許可を取らないと仕事を出せない」と言われ、慌てて許可取得を検討し始めた結果、その勘違いに気づくケースが少なくありません。
その代表例が、技術者要件の誤解です。
解体工事業者登録では問題なく認められていた技術者が、いざ建設業許可を申請しようとすると「その資格ではダメ」と言われる、これは実務の現場では決して珍しい話ではありません。
本記事では、両制度の違いを整理しながら、特に注意すべき「技術者に関する落とし穴」を中心に解説します。
目次
まず大前提として、両者は根拠法令も制度趣旨も異なります。
解体工事業者登録は、建設リサイクル法に基づく制度で、主眼は「適切な分別解体と再資源化」にあります。そのため、技術管理者に求められるのは、解体工事の現場を安全・適正に管理できるかどうかという比較的広い観点です。
一方、建設業許可(解体工事業)は建設業法に基づく制度であり、営業として一定規模以上の工事を請け負うための許可です。こちらでは、営業所ごとに「専任の技術者(現在は営業所技術者)」を配置し、品質・施工体制を業種ごとに担保できるかが厳格に問われます。
つまり、
という違いがあり、この違いが、技術者要件のズレを生みます。
ここからが本題です。
解体工事業者登録において「技術管理者」として認められている資格・実務経験は、そのまま建設業許可の営業所技術者にスライドできるとは限りません。
最も分かりやすく、かつ実際に勘違いが多いのが、建設機械施工管理技士のケースです。
1級・2級の建設機械施工管理技士は、解体工事業者登録においては、正式に技術管理者として認められる資格です。そのため、「この資格で登録できた=許可もいけるだろう」と考えてしまいがちです。
しかし、建設業許可(解体工事業)の営業所技術者要件を見ると、話は別になります。
建設機械施工管理技士は、「土木施工管理」や「建築施工管理」とは異なる位置づけで、解体工事業の専任技術者としては認められていません。
その結果、
という事態が起こるのです。
この時点で初めて、「実務経験10年で証明するしかない」「別の資格を取得する必要がある」という話になり、予定していたスケジュールが大きく狂うことになります。
資格がダメなら実務経験でなんとかなるのか。
ここにも、もう一つの注意点があります。
建設業許可における実務経験は、単に「解体に関わってきた年数」では足りません。
求められるのは、「解体工事業に該当する工事」での実務経験です。
例えば、内装解体や原状回復工事を長年行ってきた場合、それが常に「解体工事業」としてカウントされるとは限りません。工事内容によっては、内装仕上工事業など別業種と判断されることもあります。
また、とび・土工工事や改修工事と解体工事が混在している現場経歴の場合、「どこまでが解体工事なのか」を契約書や請求書、工事内容で明確に説明できなければ、実務経験として認められない可能性もあります。
実務経験で乗り切ろうとする場合ほど、業種の線引きが重要になる点は、強く意識しておく必要があります。
解体工事業者登録は、比較的取得しやすい制度です。
しかしその気軽さゆえに、「将来、建設業許可を取る」という視点が抜け落ちたまま登録してしまうケースが多く見られます。
本来は、
といった事業の方向性を踏まえたうえで、「今の技術者構成で、いずれ許可に移行できるのか」を逆算しておくべきです。
特に解体工事業は、他業種との境界があいまいな分、後からの軌道修正が難しい業種でもあります。
解体工事業者登録と解体工事業の建設業許可は、似ているようで中身は別物です。 とりわけ技術者要件については、「登録でOK=許可でもOK」という発想が、最も危険な勘違いだと言えます。 今は登録だけで足りているとしても、数年後に事業が伸びた時、技術者要件が壁になる。 そんな事態を避けるためにも、早い段階で制度の違いを正確に理解しておくことが、結果的に事業の成長スピードを左右します。 「取れる制度」ではなく、「将来につながる制度選択」を。 それが、解体工事業を安定的に続けていくための重要な視点ではないでしょうか。
当事務所は、江戸川区・葛飾区を中心に東京の東地区で建設業に専門特化し、許可取得から経営改善までワンストップでサポートするのが大きな特長です。 一般的な行政書士が許認可代行に留まる中、当事務所は許可取得後の成長戦略まで踏み込みます。20年以上の経営経験と、税理士・社労士・金融機関など必要な専門家ネットワークをワンストップで繋ぎ、経営課題を解決します。(お問合せは公式LINEより)
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