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[持続可能な経営支援]

理想的な貸借対照表とは

  • 投稿:2025年01月05日
  • 更新:2025年01月13日
理想的な貸借対照表とは

中小企業経営者の中には、損益計算書(P/L)は理解できるけれど、貸借対照表(B/S)は理解しにくいと言う方が意外と多くいます。しかし、融資などを受ける際に銀行が注意深くチェックするのは、損益計算書ではなく貸借対照表です。そのため、中小企業経営者が貸借対照表を読めないというのは、企業経営上大きなマイナスとなります。
そこで、本記事では貸借対照表の基本を解説し、理想的な貸借対照表について詳しく解説していきます。

損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の違い

まず始めに、損益計算書と貸借対照表の違いについて解説します。

損益計算書は、売上から経費を引いて利益を算出する資料です。損益計算書を見ることで、一年間にどれだけの売上を上げ、どれだけの経費を使い、どれだけの利益を上げることができたかという営業の成績を確認できます。

一方、貸借対照表は、創業からある時点における会社の資産と負債、そしてその差額としての純資産を表示した資料です。損益計算書は単年度の成績を示すため、前年比で急激に数字が良化することもありますが、貸借対照表は創業からの複数年度の積み上げを反映するため、一年だけの良い結果では劇的に良化することはほとんどありません。

そういった意味では、貸借対照表を見ると、その会社(社長)が創業からこれまでどのような考えで経営をしてきたかが数字として表れます。そのため、金融機関は損益計算書よりも貸借対照表を重要視します。

貸借対照表(B/S)について

続いて、本題である貸借対照表について解説していきます。

貸借対照表は、企業の財務状況を一目で把握できる重要な資料です。表の左側(借方)に「資産の部」、右側(貸方)に「負債の部」と「純資産の部」があり、3つの部門に分かれています。表の左右がバランス(合計数字が一致)するため、バランスシートと呼ばれます。

  • 資産の部:企業が所有するすべての財産や権利を示します。流動資産(現金、売掛金、在庫など)と固定資産(建物、機械、土地など)に分けられます。資産の部を見ることで、企業がどのように資金を運用しているかが分かります。
  • 負債の部:企業が負っているすべての借金や義務を示します。流動負債(買掛金、短期借入金など)と固定負債(長期借入金、社債など)に分けられます。負債の部を見ることで、企業がどのように資金を調達しているかが分かります。
  • 純資産の部:資産から負債を差し引いた残りの部分で、企業の自己資本を示します。資本金、利益剰余金、その他の資本剰余金などが含まれます。純資産の部を見ることで、企業の財務健全性や自己資本の充実度が分かります。

資産、負債、純資産のバランスを確認することで、企業の経営状況や財務健全性を確認することができます。

理想的な貸借対照表の形

それでは、理想的な決算書の形とはどんな形でしょうか?もちろん、一概には言えませんが、一つの理想形は以下のような形です。 「資産の部」は、流動資産がより多く、固定資産がより少ない、以下の図のような逆三角形の形になることが理想です。一方で、「負債の部」「純資産の部」は、流動負債がより少なく、固定負債と純資産の合計がより多い三角形の形になることが理想です。

中小企業の場合、これとは逆の貸借対照表になっていることが多く見られます。ただ、先程も触れたとおり、貸借対照表は長年の積み重ねの結果であるため、短期間に改善することは難しいです。貸借対照表の良化に向けた目標設定をして、数年かけて計画的に理想の形に近づけていくのが現実的です。

まとめ

以上、貸借対照表の理想の形について解説してまいりましたが、社長自ら貸借対照表の改善計画を立て実行していくこともできますが、財務の専門家に伴走してもらいながら改善計画を進めていく方が効率的であり、確実性も高まります。

専門家のアドバイスを受けながら、具体的な改善策を講じることで、より健全な財務状況を実現し、企業の成長と安定を図ることができるでしょう。ぜひ、専門家の力を借りて、理想的な貸借対照表を目指してみてください。

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