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[持続可能な経営支援]

「これがあると融資審査が厳しい!」

  • 投稿:2025年04月06日
「これがあると融資審査が厳しい!」

中小企業にとって、金融機関からの融資は事業継続と成長に不可欠な生命線と言えるでしょう。日々の経営において資金繰りは重要な課題であり、融資の成否は企業の未来を左右します。そして、融資の際には厳格な審査が行われ、金融機関は様々な角度から会社や経営者の情報を精査します。その結果、得られた情報によっては融資審査に大きなマイナスとなることもあります。金融機関からの融資が重要な経営戦略となる中小企業の経営者は、融資を円滑に進める上で、どのような情報がマイナスとなり得るのかを事前に把握し、対策を講じておくことが大切です。そこで今回は、融資審査でマイナスとなる企業情報、経営者情報について、具体的な事例を交えながら詳しく解説してまいります。

税金・社会保険料の滞納

中小企業で意外と多いのが税金・社会保険料滞納、これは融資審査においては致命的なマイナス評価となります。特に政府系金融機関の場合、国民の税金で運営されているという性質上、税金や社会保険料の滞納に対しては民間の金融機関よりも一段と厳しい目を向ける傾向があります。税金や社会保険料の滞納は、企業のコンプライアンス意識の低さを示すだけでなく、資金繰りの逼迫や経営状況の不安定さを金融機関に強く印象づけてしまうためです。

税金や社会保険料の滞納がある会社が融資を検討する場合、安易に申し込む前に、まず滞納している税金や社会保険料の全額を一括返済することが最も望ましい対応です。それが難しい資金状況にある場合には、速やかに所轄の税務署や社会保険事務所に分納の相談を行い、分納計画を具体的に提示し、その了承を得る必要があります。そして、金融機関に融資を申し込む際には、この分納の了承を得ていることを示す公的な書面(分納許可証など)を必ず提出しなければなりません。

こうした適切な手続きを一切踏まずに、税金や社会保険料を滞納したまま融資の申し込みをしたとしても、融資審査を通過する可能性は極めて低いと言わざるを得ません。返って金融機関からの信頼を損ね、今後の資金調達にも悪影響を及ぼす可能性すらあります。万が一滞納が生じてしまった場合には、誠実な対応と計画的な解決を図ることが重要です。

既存融資が延滞している・延滞していた

既存融資が延滞している状態で新たな融資を申込んだとしても、審査の俎上にすら上がらない可能性が高く、マイナス評価以前の問題として、当然ながら融資を受けられることはほぼありません。ここでの重要なポイントは、現在延滞は解消しているものの、過去に融資の延滞履歴があるというケースの場合です。

中小企業が利用する主な融資として、信用保証協会の保証付融資、日本政策金融公庫による融資、そして金融機関独自のプロパー融資がありますが、過去の延滞に対するそれぞれの対応は大きく異なります。信用保証協会と日本政策金融公庫は、たとえ延滞が解消されたとしても、一定期間は新たな融資の申込みを受け付けない傾向があります。一般的には、保証協会は延滞解消後3カ月程度、公庫に至っては6カ月程度経過しないと、新たな融資の審査には応じてくれません。これは、過去の信用情報に対する慎重な姿勢の表れと言えるでしょう。

一方、プロパー融資については、各金融機関が独自の判断基準を持っているため、一概にその対応を述べることはできません。しかし、プロパー融資の延滞情報は、原則としてその金融機関内でのみ共有されるため、仮にある銀行のプロパー融資で過去に延滞が発生していたとしても、その情報が直ちに他の金融機関に伝わるわけではありません。したがって、別の金融機関にプロパー融資を申し込んだ場合には、過去の延滞履歴が考慮されず、融資を受けられる可能性は残されています。ただし、信用情報機関に登録されている延滞情報は共有されるため、注意が必要です。

ビジネスローンの借入がある

中小企業が事業資金を調達する手段の一つに、ノンバンクからの借り入れ、いわゆるビジネスローンがあります。ビジネスローンは、金融機関の融資と比較して審査が比較的緩やかで、申し込みから融資実行までのスピードが速いというメリットがある反面、金利が著しく高いという大きなデメリットを抱えています。一時的な資金需要には有効な選択肢となり得るものの、安易にノンバンクからの借り入れに依存してしまうと、金融機関からの融資審査においては明確なマイナス評価に繋がる可能性が高いと言えます。

金融機関は、融資審査の際に企業の財務状況はもとより、資金調達の背景や経緯を詳細に分析します。その際、ノンバンクからの借り入れ残高や利用履歴は、金融機関がその企業の資金繰りの状況を判断する重要な指標となります。「金融機関からの融資を受けられないほど資金繰りが逼迫しているのではないか」「高い金利のローンに頼らざるを得ない財務基盤の脆弱性があるのではないか」といった懸念を金融機関に抱かせる可能性は否定できません。

したがって、将来的に金融機関からの融資を検討しているのであれば、可能な限りノンバンクからの借り入れ残高はゼロにしておくことが賢明な判断と言えるでしょう。もし現在ノンバンクからの借り入れがある場合は、計画的に返済を進め、金融機関への融資申し込み時にはクリーンな状態にしておくことが、融資審査を有利に進めるための重要なポイントとなります。

社長にカードローンの借入がある

社長個人のカードローンの借り入れも、会社のビジネスローンと同様に、金融機関の融資審査においてはマイナス評価となる可能性が高いです。

「社長個人のことだから分からないだろう」と考えるのは早計です。金融機関は融資審査の過程で、代表者である社長の個人信用情報を確認することが一般的です。特に、日本政策金融公庫や信用保証協会の保証付き融資においては、ほぼ100%社長の信用情報が調査されます。これは、会社の経営状況と社長個人の信用状況が密接に関わっていると見なされるためです。一方、金融機関のプロパー融資の場合は、保証機関が介在しないため、個人信用情報の確認頻度は相対的に低い傾向にありますが、全く確認しないというわけではありません。

社長個人の多額な借り入れは、返済能力への懸念を生じさせ、会社の資金繰りにも悪影響を及ぼす可能性があると判断されるため、注意が必要です。融資を検討する際は、会社だけでなく、社長個人の信用情報も良好な状態に保つことが重要と言えるでしょう。

社長に自己破産歴がある

自己破産した場合、その履歴は個人信用情報機関に一定期間記録されるため、その期間中は金融機関からの新たな融資を受けることは極めて困難です。

では、信用情報の履歴が消去されれば、再び融資を受けられるようになるかというと、一概には言えません。なぜなら、過去に自己破産によって貸し倒れを経験した金融機関は、その事実を内部記録として保管している可能性が高く、たとえ経営者が新たに別の会社を設立して融資を申し込んだとしても、過去の経緯から審査が厳しくなることが予想されます。さらに、以前の貸し倒れが信用保証協会の保証付き融資であり、保証協会が金融機関に代わって代位弁済を行っている場合、その代位弁済金を全額返済しない限り、原則として保証協会付きの新たな融資を受けることはできません。

自己破産は、個人信用情報だけでなく、金融機関や保証協会の内部記録にも長く影響を与えることは把握しておくべきでしょう。

まとめ

本記事では、金融機関の融資審査において、どのような情報がマイナス評価に繋がるのかを詳しく解説してまいりました。中小企業にとって、金融機関からの融資は事業の存続と成長を支える生命線と言っても過言ではありません。

ですから、中小企業の経営者の皆様は、今回解説した内容は、会社を健全に経営していく上で必ず把握しておくべき重要な知識です。もし、解説した項目の中に自社に該当する点がある場合には、今後の資金調達戦略や財務改善計画を慎重に検討していく必要があるでしょう。

しかしながら、財務に関する専門的な知識や経験がない場合、社長だけでこれらの問題に対処していくのは困難なケースも少なくありません。そのような際には、財務の専門家に相談し、客観的な視点からのアドバイスや具体的なサポートを受けることをお勧めいたします。専門家の知見を活用することで、より適切な財務戦略を策定し、融資審査におけるマイナス要因を解消、あるいは軽減するための具体的な道筋が見えてくるはずです。

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